爪は、形や色に栄養不足や体調不良のサインが出やすいことから「健康のバロメーター」とも呼ばれ、健康状態をチェックするのに役立つと言われています。

爪は、実は皮膚の一部です。皮膚の表面の角質が厚くなったもので、皮膚や髪の毛と同じタンパク質の一種「ケラチン」でできています。

1日に伸びる爪の長さは、個人差はありますが健康的な成人で約0.1mm程度。爪全体が生まれ変わるのは、約3~6ヵ月と言われています。また、爪は手よりも足のほうが伸びるのが遅く、指の中では、よく動かす指ほど早く伸びるようです。

 

爪の根元にある半月の白っぽい部分は、作られたばかりの新しい爪で「爪半月(そうはんげつ)」と呼ばれます。よくこの白い部分が大きいと健康で、小さかったり見えなかったりすると不健康なように言われますが、医学的根拠はなく生まれつき爪半月がない人もいます。

 

爪でわかる健康状態

健康な爪は薄いピンク色で、表面も滑らかでツヤがあります。もし形や色に以下のような変化が見られたら、体調不良や病気の疑いを知らせるサインかもしれません。

■縦線が入る

主に加齢が原因で、病気の可能性は低く、過度のストレス、睡眠不足、過労などでも現れることがあります。

■横線が入る

原因としては、体調不良やストレスなどが考えられます。また、間違った爪の手入れやきつい靴などで「爪母」を傷つけたり、高熱を出した時も出やすくなります。浅くて太い溝が入った場合は、糖尿病の悪化などによる栄養障害の疑いもあります。

ちなみに横線の位置が、爪の根元から3mmに横線があれば、約1ヵ月前に何らかの不調があったことを示しています。

■二枚爪・爪が割れる

二枚爪や爪が割れてしまうのは、爪の乾燥や外部からの衝撃が原因で、栄養不足、加齢、ストレス、鉄欠乏症貧血の場合も考えられます。

水仕事やマニキュアの除光液を使うことが多い人は爪が乾燥しやすいので、二枚爪になりやすいと言われています。また、爪切りの間違った使い方で爪に衝撃を与えると、爪が弱くなって二枚爪になりやすいようです。

■爪の色でわかる病気

□「白い」  鉄欠乏症貧血や低色素性貧血の疑い。
□「白濁」  肝硬変や腎不全、糖尿病などの疑い。
□「黄色」  爪水虫や感染症など。リンパ系の病気や新陳代謝低下の場合も。
□「青紫色」 血流が滞っているサイン。肺疾患や先天的な疾患など。悪性の貧血や心臓疾患の疑いも。
□「青白い」 貧血など。
□「赤い」  多血症(赤血球が増加することで起こる)や炎症性の腫瘍の疑い。
□「黒い」  内出血。真っ黒なら悪性の腫瘍やメラニン色素の増加、内分泌系の異常の疑い。

爪